アメリカボーディングスクール-メイン州、ニューハンプシャー州

アメリカ東部、カナダと国境を接するメイン州、その隣のニューハンプシャー州ボーディングスクールを訪問した時のことですが、訪問先校での学校見学のガイドをしたのは日本人留学生諸君でした。

 

なかには、ガイド役は初めてという生徒もいて、予定時間がオーバーし、見学予定の一部をカットするというハプニングもありましたが、学校生活についての質問にはみな大変饒舌になり、笑顔で熱心に説明してくれます。それぞれの生徒が母校を誇りに思っている様子が感じられ、コンサルタントとしての私は安堵しました。

 

学校見学(スクールツアー)を担当する生徒は、訪問者にとってはその学校の「顔」といってもいいと思います。彼らが何をどのように説明するか、訪問者の質問に的確に答えることができるかで、当然のことですが、訪問者のその学校への評価が大きく変わります。

 

訪問者とガイド生との対話の一部をあげます。

-英語が話せないけど、やってゆけるでしょうか

「ぼくも初めは全く話せませんでした。でも大丈夫ですよ。」

-どうやって話せるようになったのですか。

「先生や生徒たちはすっごく親切だし、(性格的に)いい人が多いんです。でも、

自分から話しかけないと何も起こりません。自分で勇気を出して話しかけるまでが

大変かなぁ・・・。ぼくはそれに慣れるまで半年くらいかかったと思いますが、それ以降は、英語での日常にあまり困らなくなりました」

-勉強はついていけますか。

「数学は簡単だから大丈夫だと思う。英語は難しいけど、質問はいつでもできるし、

友達も聞けば教えてくれる。勉強は自分自身が問題だと思います。スポーツや音楽、絵などの自分が得意とするものや好きなものがあるといいよ。そこから友達ができるし、自信もついてくるから。」

-学校の規則は厳しいですか。

「日本に比べたら、自由だと思う。こまかいことまで先生はうるさくは言わない。

でも慣れるまで、寮生活は大変なところがあるけど、やっぱり聞く勇気が必要です」

 

-(いくつかの学校に合格して)この学校に決めた理由は何ですか。(複数の日本人留学生からの解答)

・「日本人が自分しかいないということ。大変だけど、どうせならそんな環境でやりたいと思ったから。初めの3カ月は泣いてばかりいました。」

・「みな親切でフレンドリーなところが決め手でした」

・「大きい学校よりも、小さい学校のほうが自分に合ってると思ったから」

・「兄の行ったボーディングスクールにはゆきたくなかった。この学校でいいと

 決めていました」

・「日本で資料集めをして、電話でインタビューを受けて、合格しました。この学校で満足しています」

 

留学生といえば、韓国からの生徒が主流だったUSボーディングスクールですが、その流れは現在中国に移りつつあります。日本からの在学生が10名を超すボーディングスクールは稀です。アジア人は群れるといわれますが、これはアジアの文化なのかもしれません。もちろん、旧ソビエトからの留学生も、南米からの留学生も、ヨーロッパからの留学生もグループになる傾向はありますが、グループの人間関係で苦慮するという話は聞きません。