なぜ学校訪問が重要なのでしょうか―1

アメリカ中学、高校ボーディングスクールへの留学を考える際、出願する学校を訪問することがなぜ重要か、その理由を述べます。

 

第一に日本での進学先選定で重要な要素となる偏差値という基準がアメリカにはありません。なぜ偏差値がないかというと、日本や韓国のような入学試験がボーディングスクールにはないからです。留学生の英語力を計るTOEFLや国語としての英語力と数学力を計るSSATといった学力試験は合否決定の主力情報ではありません。ボーディングスクール入試においては、出願者の学力だけでなく、興味、スポーツ、将来の目標、などが総合的に評価されることになります。

 

ボーディングスクールが出願者を多角的に評価、検討するのと同様に、出願者も自分の学校を偏差値的な難易度基準ではなく、施設の充実度、生活のしやすさ、週末の過ごし方の多様性、更には授業のあり方などをしっかり検討することになります。それゆえに、日本とは異なり、ボーディングスクールにおいては、アドミッションオフィス(入試事務局)が独立して機能し、専属スタッフが学校の「顔」としてとても重要な役割を果たします。

学校の顔として入学志願者を統括するアドミッションスタッフの構成は、とてもユニークです。ボーディングスクールでは、3年から5年くらいのサイクルでアドミッションスタッフは入れ替わります。稀には、数十年同じ学校に在籍し、アドミッションオフィスの長(Director of Admissions)としてそのキャリアを終える人もいますが、おおよそのメンバーは、数年で自分の実績を引っ提げてより良い条件で仕事のできるボーディングスクールに移動して行きます。

 

学校訪問を通じて、出願者とそのご家族は自分を担当するアドミッションスタッフとお見合いをするといってもいいと思います。ボーディングスクールを選定する際に多くの出願者がアドミッションスタッフとの相性をとても重要視します。