なぜ学校訪問が重要なのでしょうか―3合否決定までのプロセス

ボーディングスクールの出願は、その期間が9月から翌年の1月までと日本の学校に比較して長期にわたることを昨日のブログで述べました。また、生徒募集を担当するアドミッションオフィスが独立して機能し、専従スタッフがその任にあたるということも日本の学校とは違うように思います。

 

今日のテーマは、ボーディングスクールがどのようなプロセスを経て、出願者の合否を決定するのかを考えます。出願に必要な情報は以下になります。

 

・オンラインによる出願者情報の完成

・SSAT(英語、数学の学力試験)スコアの提出

TOEFL(留学生のみ)スコアの提出

・指定された質問に対する文章作成(オンライン)

・過去3年間の学業成績表の提出

・数学、英語、校長(あるいは学年主任等)推薦状提出(オンライン)

・インタビュー

 

ボーディングスクールの出願は、オンラインが基本です。紙による願書の提出はすっかり過去のものになりました。従って出願者の英語力如何に関わらず、パソコンの操作と求められている情報の英語による理解は留学生であっても必須となります。


出願先校による入学試験がないボーディングスクール受験は、出願者が求められる情報を自分自身で作成し、SSAT、TOEFL学情成績や推薦状などは、本人を経由せずに出願先に送られることになります。本人の作文は、日本式に言えば小論文のようなものですが、その作成にあたり十分な時間かけ、他者からのアドバイス等をもらうことも可能です。そして、完璧な願書を作成し、SSATやTOEFLも猛勉強をして最高のスコアを提出できたとしても、インタビューでの結果が思わしくなければ合格は望めません。

 

ボーディングスクールの合否は、出願が締め切られる1月末から3月上旬までの期間に行われるアドミッションスタッフが中心となった審査会議で決められますが、この会議は、出願者に関連する様々な学校関係者が関わるようです。それらの人々が得意とする専門分野の知識や経験が加味されて出願者の分析が行われますから、作文だけが完璧であってもそれが本人の実力と見合うかどうかは、プロの目からすれば簡単に見抜くことができると思います。

 

アメリボーディングスクールのトップ校の一つであるフィリップスアカデミー、アンドーバーの寮生数は9年生(日本の中3)から12年生(高3)までで860人ほどです。生徒の合否決定については、日本の学校の数十倍の時間と労力がかかっていると言わざるを得ません。