これからの家族 - ボーディングスクールコンサルタントとしてのおもい

私の経験から申し上げますと、私と生徒の親とのコミュニケーションは9割がたお母さんとのものであるといえます。私がコンサルタントを始めて30年間、世の中は劇的に変わりましたが、お母さんとのコミュニケーションは劇的には変わりません。初期のカウンセリングで対面し、留学する理由、わが子の現状を聞き、私は留学のポイントをえ、渡航から卒業までの概要を話し、質問にお答えし、ご縁があるご家族のためにコンサルティングをしてきました。

30年前と比べると、情報ネットワーク革命が起こったがゆえに確かに親の留学に対する知識は格段に増えたと思います。しかし、いざ学校選定となると、どの情報を信じてよいのか見当もつかないという状況は今も昔も同じです。

情報の精度という点では、最後は人なのだと思います。

自分の子どもにどこが留学先として適切なのかということは友人、知人の留学経験者からいろいろと詳しく留学情報が得られても、実際に子どもを留学させているご家族とじっこんであっても、それぞれのケースが我が家にあてはまるかどうかは、だれも保証できないのだと思います。私にも最適の学校の保証はできません。私がこころがけていたことは、親の決断に必要な情報を正直に、誠実に、留学希望のご家族に伝えることでした。

「勉強が好きな子はいない」、

「子どもは言うことをきかなくて当たり前」、

「英語力はゼロに等しい」、

「それでも留学はできます」

と私はカウンセリングでよく言いましたが、実はおおよそが今まで、お母さんから聞いたことを集約して子どもの実情を表現し、それでもなぜ留学できるかを説明していたわけです。

留学を考える親が一番大切にしたいのは、「この子が納得する人生を生きて欲しい」という想いだと思います。そして、親も子どもの生き方に納得したいのだと思います。

 

 

 

「納得」できる状況を親が求める場合もありますし、

子どものほうから言い出す場合もあります。

子どもたち自身が現状に不満であっても、なくてもそれは、

人生のアップグレードかも知れませんし、方向転換なのかも知れません。

いずれにしても、親の覚悟は「この子がこれから生きてゆくのだから」

ということです。この子ができる範囲で考えてください、

「この子は不器用な子なんです」とお母さんはいいます。

 

 

 

こころに焦点をあてる。私はいつも、いつでもそれを中心に置いて

それぞれのケースについて考えたいと思っています。

経験と知識に自信はあります。しかし、この仕事はやればやるだけ

自分の知識と経験がいかに小さなものかということを考えさせられます。

 

 

 

行き着くところは人のこころしかありません。

それを異文化に演出してもらっていると思っています。

 

 

 

私は、若い人たちの可能性を見出したいと思っています。

あえて異文化のなかで生きることにより、その厳しさ、自分の弱さ、強さ、

そして、社会性、すなわち人々との関係性を築くことを

これからの世代に異文化という環境の中で学んでもらいたと思っています。

 

 

 

これからの家族を考えるにあたり、自分の思いを述べました。