漫画チャーリー・ブラウンとスヌーピー:2
チャールズ・シュルツの漫画、peanutsはシュルツ自身の人生観、世界観であるということを先日のブログで述べました。コージとMichelleのレポートはさらに進みます。
フットボールゲームをライナスがテレビで観戦しています。負けていたホームチーム、クォーターバックのレフトエンドへの完璧なパスを受けたレシーバーが敵をかいくぐりタッチダウン、それを見ていた観衆が興奮し、狂喜するさまをライナスは一気にチャーリーに語ります。それを受けてチャーリーは、
What the other team feel?
敗者の心境を慮ることはむしろ東洋の伝統ではないか、礼に始まり礼に終わると言われている剣道の精神や、勝つと思うな思えば負けよと歌った美空ひばりの「柔」の精神にチャーリーの一言がリンクします。
コージ・Michelleのこの漫画に対する評論をまとめます。
チャーリー・ブラウンは自身の敗北を経験している。
チャーリーは敗者の気持ちを理解する。
彼は思いやりについて人に考えさせる。
チャーリーはよい生徒ではなく、スポーツも得意でない。
クラスの可愛い女の子は彼に見向きもしない。
富と力が重視される世界においてチャーリーは敗者である。
しかし、チャーリー・ブラウンは決して負けない。
弱気になることもない。
彼はいつも明日に希望を持ち、チャレンジする。
おそらくはこれが勝者たるものだ。
シュルツの言わんとするところは成功とは、お金、名声、権力ではない。それは希勇気、尊敬、そしてとりわけてもユーモアのセンスだ。(中略)この漫画はこれからも読み続けられるだろう。本当の成功とは、人の気持ちを感じ取り、小さな親切を行い、困難に直面しても希望を忘れない勇気を持つということをPeanutsは私たちに伝え続ける。
以上、コージ・Michelleの表彰を受けた学校レポートを訳しました。一行一行に私は勇気と元気をもらう思いです。コージ君とMichelleのコンビは英語圏と日本の良いところをうまく融合させてまとめていると感じるともに、現代の高校生の視点に学びたいと思います。
さて、ウィキペディアでチャールズ・シュルツを調べて驚きました。1950年に始まったpeanutsは新聞と雑誌に連載されましたが、1999年にシュルツが他界するまで、世界中のメディアに取り上げられ、漫画のみならず、何度も繰り返してテレビ放映もされ、スヌーピーをテーマにした遊園地、企業などが列挙されていました。スヌーピーをはじめとしたグッズの3割は日本で消費されていとのことです。
確かに都市部では、隣の人の名は知らなくても、スヌーピーを知らない人はいないと思います。ここまで、キャラクターを一人歩きさせたシュルツの漫画の原動力は何なのかと思います。
それはおそらくすべての人が生まれながらにして持っているこころの風景なのではないでしょうか。誰でも長い人生のどこかで経験しているよしなしごとなのではないでしょうか。
シュルツの「希望」を自分のやり方でこれから留学する生徒たちに伝えたいと思っています。