漫画スヌーピーとチャーリー・ブラウン

ボーディングスクールの授業は、一クラスおおよそ15人以下が標準です。少人数クラスの目的は、授業中の先生と生徒の円滑なコミュニケーションにあります。特に、国語(英語)クラス、歴史のクラスなどは、かなりの時間が先生対生徒、あるいは生徒同士のディスカッションに使われるといっても良いと思います。国が教科書を検定することのないアメリカでは、授業の内容は、広範囲に及びます。スヌーピーチャーリー・ブラウンの漫画もその内容は、ボーディングスクールで取り上げられてもおかしくありません。

半世紀以上にわたって世界中で読まれているPeanuts、主人公のスヌーピーチャーリー・ブラウンのどこに人をひきつける魅力があるのか、それを考え発表した札幌の高校生、コージとMichelleの記事が高校生用の英語教科書に採用されました。素晴らしい内容の一部、ご紹介したいと思います。


父の日にちなんだチャーリーとバイオレットの漫画の中での会話です。
V: My dad has more credit cards than your dad.
C: You are probably right.
V: My dad can hit a golf ball farther than your dad.
C: I know my dad still cuts across his tee shots.
V: My dad can bowl better than your dad.
C: I know my dad still hasn’t learned to give that ball any real lift.
V: My dad can…
C: Wait a minute.  Don’t say any more…just come with me. 
   I want to show you something.
   See this?  This is my dad’s barber shop…He works in there all day long.
   He has to deal with all sorts of people…some of them get kind of crabby…
   But you know what?
   I can go in there anytime, and no matter how busy he is, he’ll always stop 
   And give me a big smile…and you know why?  Because he likes me, 
   That’s why!
V: Happy father’s day, Charlie Brown…
C: Thank you. Please greet your dad for me…


コージ・Michelleはこの漫画を評して、下記、明言します。


Her father’s money and athletic ability cannot compete with a father’s simple love for his son.


彼らに同感です。また、高校生にもわかりやすく、要を得た英語表現に感心しますシュルツがこの漫画でテーマにしたのは明らかにこころの問題です。家族のありかたの彼なりの素直な表現です。彼の幼いころの日常の風景が見えてくるようです。

彼の漫画は紙から動画となり、さまざまなキャラクターグッズが世界中で売られ、アポロ宇宙船が月面着陸した時、その母船がチャーリー、月面モジュールがスヌーピーと名づけられ、まさにアメリカを象徴する人気漫画筆頭となったわけです。

その核心は、シュルツのこころのなかの家族、友人、学校、地域、街などの人々の日常の行いの中にありました。「こころは見えないけれど、心遣いは見える」をそのまま漫画にした、シュルツという人が「世界」を魅了したわけに納得しています。

彼は半世紀以上も前に、グローバルな意識を漫画という手段を使って、具体化しました。世界を結ぶネットワークも技術もない時代に大変シンプルな手段を用いて、人々のこころに笑顔をもたらし、希望と夢を与えた功績は偉大に思います。