ある留学希望生徒との会話

ほぼ1年間、留学を自ら望み考えてきたある生徒との会話です。

-あれから、勉強は進んでいますか。

「・・・、まあまあです・・・。IELTSってどんな試験ですか」

-どんな問題か、そのサンプルをパソコンで見てみましょう。

(読解に関するサンプル文を検索して、1分ほど読みました)

-ダンク・ビートルという虫の生態がかいてあるようだが、解りますか。

「・・・、うーん難しいです。」

-文章そのものは難しいものではないと思うけど、1行に4つくらい解らない

単語があるんじゃないかな。

「そうですね。だからよく解りません。」

-最初の6ヶ月間くらいはわからないことだらけだから、英語で勝負しないほうがいいね。

「私も絶対そう思います。」

-君の得意なことは

「小さな頃から、ずーっとバレーをやってきました。オーストラリアに1ヶ月くらいバレーとダンスを習いに行ったことがあります。レッスン言語は世界共通(フランス語)だったので、とても楽しくできました。

-それだよ、それ。7月にニュージーランドに行ったら、とにかくバレー、ダンスを生活のなかに取り入れるように組み立ててみるといい。日本で調べても限界があるから、現地に行ってから、留学生担当者、ホストファミリーに協力してもらい、その基礎を作ろう。

「よかった。思うように勉強がすすまなくて、すこし不安でした。バレーやダンスはやりたいと思っていましたが、どうしたらよいか解らなかったんです。安心しました。」

 

 

高校を今春に卒業し、留学のためにアルバイトをしながら、7月の渡航を目指す彼女は、目下留学のための費用捻出のため、アルバイトをしており、仕事と勉強の両立は至難の業とも言えると思います。将来は心理学を学びたいと言っていましたが、経済にも興味があり、海外で大学を目指し、帰国して海外とかかわれる会社で働きたいそうです。

 

いつもは小学生、中学生が中心のカウンセリングとなるので、話し相手はお母さん、お父さんが多いのですが、自らの意思で親を説得し、さらに、親の費用負担軽減のために、アルバイトをしているといった成人的な学生と接すると、その人の将来を彷彿します。

 

この子は「どんなお母さんになるのだろうか」と思います。もちろん、それなりのキャリアを経てのことなのでしょうが、彼女がどのような人とめぐり合い、新たな家庭を築き、子どもたちに何を伝えて行くのかと思います。そのとき、父親はどのように彼女をサポートし、また家族をリードしてゆくのか・・・。

 

私は父親ですが、お父さんの機動力に対して、お母さんが家族にもたらす初めから終わりまで、変わらないものは「安心」というこころのよりどころかも知れません。

 

自分で切り拓いた未来を、存分に楽しんで欲しいと思います。彼女が築く家庭、まだまだ先かもしれませんし、もしかすると、それほど遠くはない将来かもしれません。彼女が自ら手にした海外体験をぜひ有効に活用してほしいと思います。

 

そこで、人生の宿題を一つづつこなしてほしいと思います。納得する生き方を学べれば、必ず勉強はついてくると私は思っています。