ボーディングスクール(高校)留学に必要な英語力について

アメリカのボーディングスクールが要求する英語力は大別すると3つに分類できます。

 

  • 英語が普通に話せて、入学年相応の英語による読み書きができる。入学に際してはTOEFL、SSATスコアの提出が必須となる
  • 英語力はある程度要求されるが、ESLサポートもあり、英語力よりも、成績、特技、意欲など総合的に志願者の伸びる可能性を探る
  • 英語力は問わない。志願者の学習への意欲が明確であれば、日本の成績が平均以下でも入学可能。

 

ボーディングスクールへの留学を考える時、現地での学校生活に困らない英語力があるに越したことはありませが、留学において英語が出来るということは何をもって計るのでしょう。いかなるボーディングスクールでも通用する留学生の英語力を計る物差しとしてTOEFLがあります。PBT(Paper based TOEFL)からCBT(Computer Based TOEFL)を経て、現在はIBT(Internet Based TOEFL)になりました。本来TOEFLアメリカの大学が留学生の英語力を計るために開発されたテストです。読む、書く、聞く、話すという4つの項目がありそれぞれが30点満点で最高点は120点です。

この試験は実用英語力を計るために大変よく出来ています。IBTでは4つの項目に必ずまとまった文章を読むという作業が入ります。英語の文法、熟語、単語を単に知っているというテストではありません。知っていることと、使えることは違うということをTOEFL製作者はよく理解しています。英文の内容を理解できるか、その大意をしっかり要約でき、それを表現できるかなど、大学で求められる英語力に対応できるようになっています。話す、聞くという分野においても、まず文章を読んだ上で、その内容に即して話し、聞くのです。

 

言うまでもなく、ボーディングスクール留学で問われる英語力とはまず読み書きであり、それができれば、おのずと聞く、話すはできるようになるのです。

 

大人が1年以上かけて、聞いたり話したりできるようになるところを中・高生であれば半年くらいでそのレベルに達するでしょう。問題は相手に何を伝えるかです。学校で相手に自分を伝える手段で最も中・高生が苦労するのが読み書きなのです。留学準備の英語学習に「試験に出る出ない」は関係ありません。知識だけを問う勉強は必要ありません。

習う(知識を増やす)よりも慣れろ(使える)方式が留学のための勉強だと思いますが、効果的なやり方は3つあります。ひとつは早めに留学をしてしまうことです。アメリカの高校は4年制ですから日本の中3が1年生(フレッシュマン)です。日本の中学卒業を待たずに、フレッシュマン時代に渡航してしまうのです。最初の1年間は受け入れのボーディングスクールも英語力のハンディを考慮して科目を組んでくれます。そして、あとの3年間で1年間のハンディを取り返すようにするのです。

中学校を卒業して3年間の留学を考える場合、英語力を考慮してあえてフレッシュマンから入学することも十分に考えられます。受け入れのボーディングスクールがあえて1年学年を落とすことを条件にして合格をする場合もあります。卒業まで1年余計にかかりますが、長い将来を考えれば、この1年は余計でなく、精神的、物理的な余裕を生み出す時期に変わるでしょう。

 

もうひとつはオーソドックスに留学すると決めたら日本で英語の特訓をすることです。英語力というのは実は学習力と関連していると思います。学習力を最も引き出すのは目標達成のための意欲です。試験に出るという枠をはずして考えると、日本の中学校の英語学習内容は基本に忠実で十分に使えます。加えて、TOEFLのための予備校や専門学校も都市部にはありますから、留学用英語学習についてそのような専門機関に相談するのも良いでしょう。教授陣も多くの留学経験者がいますし、相談を受けてくれるアドバイザーなども留学についてはある程度の知識を持っている人が多いと思います。