ジュニアボーディングスクール(小学・中学)留学に必要な英語力

ボーディングスクールというと一般的にはハイスクール(日本の中学校3年から高校3年の4学年)の学年の寮生活を中心とした学校ですが、その前段階のジュニアボーディングスクールもあります。ジュニアボーディングスクールはおおよそ小学5年生から留学生を受け入れ、その滞在方法は学校寮となります。ジュニアボーディングスクールの最高学年は9年生(日本の中学校3年生、アメリカでは高校1年生)です。

現在、アメリ東海岸地方に集中しているジュニアボーディングスクールはいずれの学校も留学生受け入れには積極的で、ESL(留学生のための英語クラス)あるいは、留学生のための英語補修サポートクラスがあるので、ネイティブなみの英語力が入学時から要求されることはありません。

大学、高校への留学に比べ、ジュニアボーディングスクールに入学する生徒は、年齢が若い分、一般的に異文化への順応性も高く、1年もすれば生活に必要な英語力は身に着きます。ジュニアボーディングスクールのアドミッションスタッフも留学生のそのような特質を十分に認識していますから、彼らの留学生に対する合否の基準は、TOEFL、SLEPといった英語力試験のスコアよりも、スポーツ、芸術や音楽への関心や趣味、週末の過ごし方、友達の多さなど、生きていく力をしっかりと確認することにあり、そこに力点をおいて面接を行います。

 

余談になりますが、日本では読み書きに加えて、話す、聞くといった英語力が大学入試で重視されるようになりました。小学校からの英語学習のみならず、幼稚園や保育園でも「英語」教育を取り入れるところが人気のようです。

英語力の重視は、グローバル化への備えなのでしょうが、今のところ、英語を話せる成人のパーセントが顕著に上がったということには結びついていないように思います。

英語力を身に着けるための第一の要素は、英語を使う必然性にあります。英語の知識をいかに増やしても、使われなければ自然と消えてゆきます。しかし、コミュニケーションの道具として英語が使われていれば、その必要性、必然性ゆえに消えることはありません。

教育的見地から英語を学ぶことを学生や生徒に説き、強いても日常に使われない道具は結局身に付きません。

少なくとも、若い世代の人たちに道具としての英語の魅力を教えるような仕組みを教育のなかに入れることを考え実行するほうが、良い結果に結びつくことになると思います。