ボーディングスクールの伝統 その教育方法について

アメリカのボーディングスクールの特長をひとことで言えば、少人数クラスでの授業です。ひとクラスの平均的な人数は12名ほどです。少人数クラスによる教育は、アメリカの東海岸地方で多くのボーディングスクールが創立された17世紀後半より現在に至るまで変わっていません。

この小さなクラスで先生が力を入れているのが、生徒と先生、あるいか生徒間のコミュニケーションです。覚えること、暗記することよりも生徒自身が考えることを先生は最も大切にします。「なぜ」そうなるのか、そうなったのか、その理由は何かといったディスカッションを中心に授業が進んでいきます。

大学でのゼミのようなクラスが中学、高校としてのボーディングスクールのみならず、小学校の高学年より寮生徒を受け入れているジュニアボーディングスクールでも基本かつ根本となっています。

考えることが中心の授業にあって、果たしてボーディングスクールの生徒は彼らが望む大学に進学できているのでしょうか。もし答えがNOであるなら、ボーディングスクールはコロナ禍で半分くらいに減少しているはずですが、それは事実はありません。

高校としてのボーディングスクールにおいては、入学難易度の高い大学を目指すいわゆる特進クラスというのはありません。その代わりいずれの教科においても学習難易度の高いAP(Advanced Placement)クラスというのがあります。高校時代に大学で学ぶような内容を行うというのがAPクラスの目的です。

では、ボーディングスクールの生徒たちはどのようにして自らが望む第一志望の大学に入学していくのでしょうか。

つづく